アート

第64回 版画伍人展、展示作品紹介(シルクスクリーン・エッチング・木版)、その他。

 

・・・版画伍人展とは、様々な異なる版画技法から成る作品を一堂に集めた特徴のある展示会です。

今回は、シルクスクリーン・エッチング・木版で制作された作品35点(小作品12点含め)及び遺作4点を展示しました。

更に同じジャンルの中でも制作方法は細かく分かれており、

作品ごとにその特徴・違いを楽しんでいただければ幸いです。

今回は前述の通り、遺作として坂本久康氏及び須田敏夫氏の作品も合わせて、ご高覧頂ければ幸いです。

第64回 版画伍人展

  • 開催場所:愛知県美術館8階ギャラリー J2室。
  • 開催期間:2024/6/(水)~6/9(日)
  • 開催時間:AM10:00~PM6:00(最終日PM4:00迄)。

展示作品紹介(シルクスクリーン)

杉藤万里子:シルクスクリーン、水性インク

・・・杉藤万里子氏のシルクスクリーンは、透明水彩が持つ特有の重ねによる発色効果がいかんなく発揮された作品が特徴。

今回のモチーフは、作者が大地から受けるインスピレーションを表現しました。お楽しみください。

大地の喜び

 

大地の嘆き

 

大地の叫び

 

大地の祈り

 

小作品:シルクスクリーン、水性インク

大地からの贈り物 1

 

大地からの贈り物 2

 

米倉泰民:シルクスクリーン、油性インク

・・・米倉泰民しによる油性によるシルクスクリーンは、グラデーション細い平行線を多用した作品が特徴。

小作品の細やかな美しさと、大作にみる様々な形と想像力に毎回驚きます。

禅問答

 

風源を探る

 

測天所

 

巡礼の道

 

小作品:シルクスクリーン、油性インク

舞踏楯

 

飾鳥帽子

展示作品紹介(エッチング)

鈴木正仁:エッチング、モノタイプ

・・・鈴木正仁氏の銅板(亜鉛版)モノタイプの作品は、グラデーションとホワイトガソリンを巧みに使用し表現した白の組み合わせが特徴。

今後も白と多色の組み合わせた表現の作品が楽しみです。

Voice   K 024

 

Voice   K 0024

 

Vibration  08

 

Vibration  09

 

小作品:エッチング、モノタイプ

GIFT  K2401

 

GIFT  K2402

 

展示作品紹介(木版)

羽多野豊子:木版、エンボス刷り

・・・羽多野豊子氏は、夜空に上がる迫力満点の花火が大好き。全国(長岡・熊野など)の花火大会を楽しんでいます。

厚手の和紙に圧をかけエンボス加工したうえ、油性インクと透明水彩のコラボから成るパワーを感じる作品。

夢ひとよ夜ー 12

 

夢ひとよ夜ー 14

 

夢ひとよ夜ー 15

 

夢ひとよ夜ー 17

 

小作品:木版、エンボス刷り

ゆめで会えたら

 

ゆめの関守

 

藤崎増男:木版、コラグラフ

・・・藤崎増男氏の作風は、築地塀の持つ瓦と粘土(コラグラフ処理)から成る単純な層をモチーフとした作品が特徴。

近年、単純な層の変化と青と多色の形を組み合わせ、空間を感じる作品にも挑戦中です。

時空ー3

 

時空ー24

 

層ー24

 

小作品:木版、コラグラフ

時ー24-1

 

時ー24-2

 

吉川房子:木版、板目

・・・吉川房子氏は、透明水彩の最大の特徴である、多色刷りの持つ明るい効果を引き出した作品が特徴。

作品中に繰り返される一見単純な形に引き込まれ、我々の持つ古代のDNAが反応します。

促すー1

 

促すー3

 

促すー4

 

促すー5

 

小作品:木版、板目

促す ー2

 

促す ー6

遺作品展示

坂本久康:木版

Q氏のカルテ(3)

 

From Another Planet

 

須田敏夫:銅板

森の奥で(エッチング)

 

昇華(メゾチント)

 

その他

G.A.M展、出展作家来場

・・・豊田市美術館で同時開催のG.A.M公募展に出展作家の方々が多数来場されました。

G.A.M展、出展作家のご来場

(その1)
写真(2024/6/5):左から杉藤先生・吉川先生・G.A.M展に出展作家の皆さま(伍人展会場にて)。
(その2)
写真(2024/6/5):同上、G.A.M展に出展作家の皆さま(伍人展会場にて)。

Global.Artist.Movement

<第24回展GAM公募展>
  • 令和6年6月4日~9日
  • 豊田市美術館ギャラリー
<GMA公募展に作家の皆様から頂いたカードの一部>

 

<ネパールフェスティバル、新聞記事>

写真:「ネパールフェスティバル」のポスター(2024/6/6、中日新聞)。

ネパールの食や音楽に触れる「ネパールフェスティバル」が、

8・9日の両日、名古屋栄のエディオン久屋広場で開かれる。

近年留学や就労などで来日する人が急増している同国の文化を紹介し、友好関係を深めたい考えだ。
出入国在留管理庁の統計では、国内で暮らすネパール人は2023年6月時点で15万人超と、
10年前から5倍ほどに増加、このうち県内は1万4千人弱で、都道府県別で東京に次いで2番目に多く、
名古屋近隣は国内でも有数の集住エリアとなっている。
8日午前には、300人規模のパレードも実施し、テープカットで開催を祝う。以下略(2024/6/6、中日新聞)。

新聞記事

・・・新聞記事「曜変天目茶碗や種子題材の版画、手法多彩、栄で展示」との見出しで掲載、紹介します。

写真:会派版種の異なる6人の版画作品が並ぶ展示ー栄の県美術館ギャラリーで(2024/6/7、中日新聞)

会派、版種の異なる60~80代の版画家6人による「第64回版画伍人展」が、

栄の県美術館ギャラリーで開かれている。9日まで。

吉川房子さん(千種区)、藤崎増男さん(緑区)、米倉泰民さん(守山区)、杉藤万里子さん(日進市)、

鈴木正仁さん(高浜市)、羽多野豊子さん((三重県鈴鹿市)の6人。

昨年亡くなった坂本久康さん(千種区)、須田敏夫さん(緑区)の遺作も含め、木版、銅版、シルクスクリーンの作品39点を展示した。
藤崎さんは、国宝の曜変天目茶碗の美しさに引かれ、その器の景色をモチーフにした木版画「時空」を出品。
杉藤さんは、環境や戦争など地球、世界を取り巻く状況を鑑み、
植物の種をモチーフに「大地の祈り」「大地の嘆き」などと題したシルクスクリーンの4部作を並べた。
伍人展は、切磋琢磨を図ろうとメンバーの交代を経ながら毎年、展示を続けてきた。
30年来、出品を続ける吉川さんは「それぞれの表現を楽しんでもらえば」と話した(2024/6/7日、中日新聞)。

出展作家の生徒さんご来場

・・・伍人展に出展の作家は、学校・版画教室の先生が多く、その生徒さん方が連日ご来場いただいており一部紹介します。

米倉先生の生徒さんご来場

かって米倉先生からデザインを学んで切磋琢磨した仲間たちが、伍人展の展示会で出会いました。

写真(2024/6/8):米倉先生を囲む、現在も元気でご活躍中のシニアの面々(愛知県美術館8FJ室)。

少しづつ集まりながら、先生の作品を語りやがて各々の近況を語る。まるで同窓会ですね。

これは、絵画の展示会が持つ「スバラシイ理想の姿(役目)」ではないでしょうか。

伍人展作家は、今後とも大いに想像力を働かせ作品作りを通じて、その一助となれば幸いです。

 

<ご参考>第63回 版画伍人展

<ご参考>坂本久康氏遺作展

坂本久康EXHIBITION 回顧展、作品紹介・その他

第64回 版画伍人展のまとめ

・・・版画伍人展は、版画の数ある技法をその特徴ある作家と作品をまとめて展示するグループ展です。

前述の展示活動が認められ、1998年に「平成9年度愛知県芸術文化選奨・文化賞」を受賞しました。

今回、同受賞時のメンバー坂本久康氏・須田敏夫氏の遺作も展示する運びとなり時の流れを感じました。

現在メンバーは、愛知・三重県在住の版種を越えた版画の作家たちです。

各分野で版画の普及と発展に努め、互いに切磋琢磨を図っています。

高齢になり体力的に衰えを感じながらも、毎年新作造りに挑戦し続け、

これからも「伍人展」の伝統を継続し、さらに発展させたいと思っています。

最後までご覧いただき有り難うございました。