第11回日本板画院 東海支部展
・・・第11回日本板画院 東海支部展が下記のごとく開催されますので、展示作品を紹介します。
高山展
- 令和4年9月29日~10発1日。
- 高山市民文化会館4-7。
名古屋展
- 令和4年11月1日~11月6日。
- 愛知県美術館ギャラリーJ室。
日本板画院 東海支部展、作品紹介
<委員>作品紹介
福井正郎
からまつ:*岐阜県知事賞
陶山俊一
モルゲンロート(白馬三山)
草もみじ(尾瀬ヶ原)
𠮷朝悦子:野に遊ぶ5(赤い花)
仙波英雄:藁ぐろと案山子の宴
作者からヒヤリング
<作品:藁ぐろと案山子の宴>
5年ほど前、豊田地区の青年団が協力し、開催された豊年祭りの一幕。
同地区から集めた大案山子(かかし)が囲む、巨大な藁ぐろ。
藁ぐろの入口の中に黒い人影?実際は木の柱だそうです。
藁ぐろと案山子の巨大さに驚きます。
辻 哲男:コロナからの開放
<同人>作品紹介
市川 彰:瓦浪郷愁
井上三也男:煌めく海峡
大下正喜:アイガーの朝
加藤 健
風雪に耐え Ⅳ
暖簾Ⅵ
五藤雅哉:春の足音
小柳 茂:悠久のお堀
竹中保一
午後のひととき
ハロン湾の午後
萩原理樹:碧い迷宮と花籃
畑川清二
長閑
Autumn
林 泰修:夏は来ぬ
速水基司
凛巖
静寂
平田牧三
錦秋
晴明
水田雄二
煌々
納屋橋の夜
矢神早苗:いや、まだ…*外部審査委員志賀秀孝賞
作者からヒヤリング
<作品:いや、まだ>
歌舞伎の演目「錨知盛」の場面をモチーフにしました。
壇ノ浦の戦いで敗戦を見届け、敵に自分の亡骸をさらされないよう、
知盛が、船の錨を付けた綱を体に巻き付け、錨とともに身を海に投げる場面です。
タイトルの経緯は、知盛の顔を河童にしたこと。河童は水に強いな~と思い、「いや、まだ」のタイトルとなりました。
知盛の悔しい無念の表情がよく似た表情の「蟹」が作品左下隅っこにいます。
この蟹はその顔の表情から平家蟹と名付けられたのでしょう(納得です)。
<作者:矢神早苗さん>
日本舞踊暦は豊富。「錨知盛」を演じ、静御前と平知盛の一人二役の経験者。
凛とした和服の着こなし、木版画と日本舞踊の二刀流。
<外部審査委員、志賀秀孝>…府中市美術館学芸員
<志賀秀孝氏の評>
掛け軸を思い起こす縦長の作品が、日本風の雰囲気を醸し出して興味深い(作者からの談)。
<ご参考:平知盛>
平知盛(とももり)…平氏の軍事面での責任者的地位にありました。
都落ち後、1184年(元暦元)の一の谷の戦いでは息子知章(ともあき)を失いました。
翌1185年(文治元)壇ノ浦の戦いの総大将として敗戦を見届けて自殺。
清盛の四男で、清盛「最愛の息子」と言われています。
山田米彦:作品NO.R4Y83VJ
<院友>作品紹介
井ノ口靖太郎
しばしの別れ
舞う
梶 清文
魚返滝*アーティストスペース賞
夫婦岩
加藤晋之
七竃
冬の海
<一般>作品紹介
近藤俊郎
散策する
光に誘われ
小笠原広行
「時」~流れても~
Dokanzaka*日本板画院賞
森下明宣
晩夏 Kurashiki:*奨励賞
ヨットハーバー 夕景:*小作品部門奨励賞
<チャレンジャー>作品紹介
西尾 弘:ブリッジ
松田賢治:ドロミテ
横山信義:未完成
日本板画院 東海支部展、作品紹介のまとめ
・・・1952年(昭和27年)版画家棟方志功の呼びかけで日本板画院が結成されました。
同年第1回展を開き、以後2013年に一般財団法人日本板画院となりました。
東海支部は結成後11回展を迎えました。
近年特に感じる作品の傾向は、従来の浮世絵的な画風に加えて、
版画表現の可能性を追求する個性豊かな版画家が増加傾向にあることを感じます。
今後も様々な表現をする画家が多数参加し、発展することを予感させます。
木版画ファンとしてとても楽しみです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。