・・・「大下百華展-フレスコ画-」が開催されましたので、ご紹介します。
大下百華さんの作品(フレスコ画・版画その他)は、作家仲間にも多くのファンがいらっしゃいます。
今後もご活躍を期待される作家さんでしたが、今回の個展を開催される以前から体調を崩されており、
残念ながら本年6月にご逝去され、ご逝去を悼みながらの収録となりました(合掌)。
大下百華展・フレスコ画
ギャラリーACS
技法、フレスコ
- 展示会期:2024年9月7日~9月21日
- 所在:名古屋市中区-1-13-4御園大林ビル1F、TEL/FAX052-232-0828
- アクセス:地下鉄・伏見⑤番出口、徒歩5分
- 休館日:(月)、(日)休館
- 開催時間: AM11:00~PM6:00(最終日PM5:00)。
展示作品紹介
・・・展示作品紹介につきまして、ギャラリー台座に展示のフレスコ画は全て紹介いたします。
その他の作品は壁面単位での紹介ケースもございます。
ギャラリーACS壁面
・・・ギャラリー右側壁面:38・21・19・22・23・34・32
38,自由にかける丘(ドローイング)
21,筆は鬼に持たせよ
Doll/Paradise of Flower
19,Fish
Sun & Moon
鳥と人
Love & Flower
The hand reachs space-[Poetry of flower]
・・・ギャラリー正面壁面:33・35・36・17・18・37・20・28・26
33,The hand reachs space
35,Natural
36,Rabbit&Lake
20,Cat&Clover
・・・ギャラリー左側壁面:25・24・30・31・27・29
25、ゆれる
ギャラリー台座(フレスコ画)
・・・ギャラリー台座に展示の(フレスコ画)をブロックごとに分けて紹介します。
・・・台座右、1・14・5
・・・14,同台座右
・・・台座中央右上、4・8・11
・・・8、同台座中央右上
・・・台座中央右下、9・6・7
・・・7、同台座中央右下
・・・台座中央左、16・12・13・10
・・・12・13,同台座中央左
・・・台座左、3・2・15
・・・15,同台座左
その他
・・・その他として、プロフィール・新聞記事(その1)・(その2)及び作家のご遺族のご挨拶を記載します。
プロフィール・画歴など
- 1971 東京都生まれ(石川県出身)
- 1997 創形美術学校ファインアート科版画専攻卒業<創形賞>
- 1998 創形美術学校研究科版画課程修了<高澤賞>
- 2003 日本版画協会会員推挙
- 2003-4文化庁芸術インターンシップ国内研修賞
個展
- 1998~ コートギャラリー国立(東京)外、ハンガリー・ブルガリア・メキシコ・ポーランド等、国内外多数開催。
主なグループ展
- 日本版画協会展(協会賞)・全国大学版画展(買上賞)
- 青森版画大賞展(準大賞)・飛騨高山現代現代木版画ビエンナーレ(優秀賞)他多数出展。
パブリックコレクション
- カサ ディエゴリベラ美術館、プエブロ美術館(メキシコ)
- 三戸町立現代版画研究所(青森)
- ロスアンジェルス カウンティ美術館(アメリカ)
- 町田国際版画美術館(東京)
- 青森市・沼津市(静岡)・上上田文化会館(長野)。
新聞記事(その1)
・・・新聞記事に今回の個展が掲載されましたので(その1)に内容を紹介します。
「大下百華展」-フレスコ画-新聞記事
7日(土)~21(日)、午前11時~午後6時(21日は5時まで)、
名古屋市な膜栄1丁目のギャラリーA・C・S(伏見駅、TEL052・232・0828)。
石川県加賀市の漆工芸大下香仙工房の蒔絵ジュエリーブランド「Classic Ko」の衣装デザインを手がけ、
今年6月に亡くなった大下百華さんのフレスコ画や版画作品など30~40点。(日)(月)休み。
新聞記事(その2)
・・・新聞記事に今回の個展が掲載されましたので(その2)に内容を紹介します。
大見出し:優しさと独創の38点
52歳で逝去 石川の美術家・大下さん
6月に52歳で逝去した石川県加賀市の美術家、大下百華さん=写真、大下正之さん提供=の個展が、
中区栄1のギャラリーA・C・Sで開かれている。同会場では1999年から14度目の展示。
生き生きとした表現の木版画やドローイング、フレスコ画の作品が並び、鑑賞する人たちを勇気づけている。
<記事内容>
展示作品は計38点。動物や植物、太陽などにテーマにした大小の木版画は何十色も重ね、色鮮やかで独創的だ。
フレスコ画はおとぎ話の世界を表現したような優しいタッチと色使いで、フクロウや人形などを描いている。
大下さんは創作活動をしながら、自身の実家の漆工芸工房で、夫の正之(雅号・香征)さん(53)が、
立ち上げた蒔絵ジュエリーブランド「ClassicKo」のデザインも手掛けていた。
晩年は、生乾きの消石灰を下地に水で溶いた顔料で壁に描くフレスコ画を研究。
表面の彩色層のみをはがしてキャンパンスなどに貼り付ける難易度の高い技法「ストラッポ」を習得した。
4月には東京でフレスコ画と蒔絵ジュエリーの展示会を開いた。
正之さんは「制作活動とブランドを融合させる夢の第一歩を形にできたところだった」と語る。
約8年前から闘病生活を送っていたが、持病が悪化し、個展準備中に自宅で亡くなった。
ギャラリーを営む佐藤文子さん(80)とは約25年の付き合いで、1年おきに個展を開いていたという。
佐藤さんは「思わぬ形で追悼展になってしまった。豊かな発想力と表現力があり、絵が大好きな人だった」としなおんだ。
21日まで、午前11時~午後6時(最終日は5時まで)、(2024/9/18日、中日新聞)。
ご挨拶
・・・ご遺族(ご主人=大下正之氏)からの「ご挨拶」に感動しました。ここにご紹介いたします。
<ご挨拶>
この度 妻 大下百華の個展に際しまして、ご来場を賜りまして誠にありがとうございます。
長く持病を抱えながら命の喜びを表現しつつ、皆様をはじめとした温かい応援のおかげで創作の日々を過ごしておりました。
二、三年前より徐々に病状が悪化してしまい、昨年暮れ辺りから自宅にて看護を続けておりましたが、
6月12日 自宅母屋にて静かに息を引き取りました。
皆様には、妻の生前中のひとかたならぬご厚誼に心より感謝申し上げます。
日が経つにつれ 改めて妻がたくさんの方々に応援され愛されていたのだなと今更ながら思う日々です。
彼女が創作していた作品を通じて、それぞれの対話を続けて育んでいただければ嬉しく思います。
我が家には子供たちが小さなときに 彼女が作り与えた人形やおもちゃのオブジなどをもたくさん残っていて
ずっとそばにいてくれているみたいに思っています。
絵を描いたり ものづくりも 本当にいい仕事だなと、改めて感じているところです。
略儀ながら書中にてご挨拶申し上げます。 ご高覧下さり、心より感謝申し上げます。
令和6年9月7日 夫 大下正之
ギャラリーACS
アクセス
- 所在:ギャラリーACS、名古屋市中区栄一丁目13-4御園大林ビル1F
- TEL&FAX:052-232-0828
- アクセス地下鉄「伏見」駅⑤番出口、徒歩5分
*現在、地下鉄伏見⑤番出口は工事中であります。⑧番出口か科学館方面の出口をご利用ください。
今季展示予定(7月~9月)
・・・La Vista101号の記事から今季(7~9月)の展示予定を紹介します。
- 7/06土~7/20土:杉尾信子展-油彩&モノプリント+ドローイング
- 8/17土~8/24土:増田和臣 追悼展-Oil Painting on canvas <詳細、下記ご参照ください>
- 9/07土~9/21土:大下百華展-フレスコ画-
La Vista101号、大下百華展-フレスコ画-より
フレスコ画は以前から大下さんが好んで手掛けておいでの技法です。
<フレスコ画について>
「フレスコ(fresco)」という言葉は英語の(fresh)に当たるイタリア語で「新鮮な」とか「爽やかな」という意味があります。
「フレスコ」とは、「消石灰が空気中で結晶硬化する現象、つまり石灰の炭酸塩化とともに作られる絵画」または、
「消石灰を下地として描かれる絵画」を言います。
石灰は、古くから世界の各地で使われていて、石灰を下地とする壁画も古代からずっと作られてきました。
「フレスコ」は、人間の「創造」という原始的営みを受け止めた「絵画の原点」というべきものです。
(「フレスコ画への招待」大野彩著より抜粋)。
*展示作品につきましてのお問い合わせは、ギャラリーACS迄。
大下百華展のまとめ
・・・今回の個展を前にご逝去された大下百華さんのご遺族(ご主人=大下正之氏)の挨拶状に感銘を受けました。
フレスコ画・版画等、これからも作家活動に才能を発揮される作家さんでした。ご逝去は実に残念であります。
絵画活動をサポートなさったご主人の挨拶状から、作家さんに対する敬意と家族愛を感じました。
その中で絵画の役割、つまり絵画は家族の中での重要な役割(絆)を担っていることを実感しました。
最後までご覧いただき有り難うございました。